My field note

虫とりの記録

ロマンチックなブルーを求めて その1

 

国産ブルーの中でも、L.subsolena は蝶愛好家にとって最も人気の高い種の一つだろう。

この蝶が人気な理由は、様々な雑誌・ブログで紹介されているので割愛するが、大体まとめると、多様な地域変異、色彩の美しさ、そして適度な分布範囲から探索意欲に駆られる、などに集約されるだろう。そして自分もその一人だ。

 

私が学生時代に住んでいた東北地方は本種の分布圏外だったことに加え、移動手段もなく、お金もなく、果てはポイントも知らなかったため、まさに憧れの蝶であった。

社会人になり、長年の悲願を達成すべく自家用車を手に入れ、探索への準備は整った。かに思われた。

しかし本種の希少性・採集圧への影響からか、インターネットを検索してもどこにも具体的な生息場所の情報が得られない。

インターネットで情報収集 → 現地へ行って生息環境を知る → 探索場所を広げる

という私のこれまでの採集セオリーが適用できず、困ったことになった。

そこでとある情報筋から得た、”昆虫関連の情報誌が大量に蔵書されている図書館”に行き、過去の文献情報から生息場所を探ることにした。(これで貴重な晴天の休日を1日犠牲に)

確かにその図書館には、今では手に入れ難い〇〇の標本箱シリーズをはじめ、全国各地の昆虫同行誌が蔵書されており、1日いても飽きることはなかった。

お馴染みのGoogle mapの航空写真と地形図を照らし合わせ、探索範囲を決定し、今度こそ準備は整った。

少し時期が早いかもしれないが、数多いるであろう他の採集者・撮影者とバッティングするのは嫌なので、6月の晴れの平日に年休をとっていざ出発

(次回へ続く)